一級建築士試験の製図において、「エスキスが遅い」「描き直しばかりで時間がなくなる」という悩みは多くの受験生に共通するものです。私自身も最初の頃は、エスキスの途中で何度も線を引き直し、気づけば時間ばかり消費してしまうことがありました。
この記事では、私が実際に取り入れて効果を実感した「描き直しを減らす思考法」を紹介します。エスキスの速度を上げたい方、効率的にプランをまとめたい方の参考になれば幸いです。

なぜ描き直しが多いとエスキスが遅くなるのか
まず、なぜ描き直しが速度低下につながるのかを整理してみましょう。
- 手が止まる時間が増える:線を消して描き直す行為は単純に時間を浪費します。
- 思考のリセットが起こる:描き直しをすると「どこからやり直そうか」と頭が戻ってしまい、流れが途切れます。
- 焦りが積み重なる:時間がなくなる不安が焦りを生み、さらにミスを誘発します。
私も最初の模試では、ゾーニングを繰り返し直して1時間以上が経過してしまい、後半が完全に崩れてしまったことがあります。
描き直しを減らすための「思考法」のポイント
1. 最初に「大枠」だけを決める
私が実践して効果を感じたのは、細かいプランニングをいきなりしないことです。
エスキス開始直後は、建物の大きさ・ゾーニング・動線の大枠だけを鉛筆で軽く書くようにしました。
例えば、
- 「1階は共用部をまとめる」
- 「2階に主要居室を配置する」
- 「階段とEVをこの辺りに置く」
といった配置の原則を先に固めてから線を引くと、無駄な修正が格段に減りました。
2. 「消す」より「追加する」意識で描く
以前の私は、気に入らない線はすぐに消して描き直していました。ですが、今は上から新しい線を重ねる方法を取っています。
こうすることで、思考の履歴が残り、比較して判断できるメリットもあります。最終的に清書の段階で整理すればいいので、途中は多少ごちゃごちゃしていても大丈夫だと割り切れるようになりました。
3. 代替案を頭の中でシミュレーションする
「描いてから考える」よりも、「考えてから描く」方が描き直しは減ります。
私はエスキス用紙に手を出す前に、頭の中で最低2〜3パターンのゾーニングを想像し、メリット・デメリットをざっくり整理しています。
頭の中だけでは不安なときは、余白に小さなスケッチをササッと描き、最もバランスの良い案を本エスキスに採用しました。
4. ルールを決めて迷いを減らす
「動線はできるだけ直線で結ぶ」「主要な居室は南面配置」など、自分なりのルールを持つと迷いが減り、描き直しも少なくなります。
私は「階段はなるべく建物中央」「水回りはまとめて配置」という自分ルールを徹底してから、案を修正する回数が激減しました。
私の失敗談と改善例
最初の頃は、以下のような失敗を繰り返していました。
- ゾーニングに30分以上かける → 配置に迷って何度も描き直し
- 部分的に固めてしまう → 他の部屋との整合性が取れずに修正地獄
- 清書レベルで描き込む → 方針が変わったときにすべてやり直し
この経験から学んだのは、完璧を求めすぎないことです。今は「まず形にして、後から直せばいい」という考え方に変えました。その結果、ゾーニングは20分以内に終わり、全体の流れも安定するようになりました。
まとめ:描き直しを減らせば速度は自然に上がる
一級建築士試験のエスキスは、「速さ=正確さ」ではありません。
重要なのは、描き直しを減らして思考を止めないこと。
- 大枠を先に決める
- 消すより追加する
- 頭でシミュレーションしてから描く
- 自分ルールを徹底する
これらを意識するだけで、エスキス速度は確実に上がります。
私自身、以前は60分近くかかっていたエスキスが、今では30分でまとめられるようになりました。描き直しを減らす思考法は、効率を上げたい受験生にとって大きな武器になるはずです。

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