建設現場で働く現場監督にとって、一級建築士試験の勉強と仕事を両立させることは想像以上に大変です。現場は毎日がイレギュラーの連続で、予定通りに帰れる日も少なく、体力的にも精神的にも消耗します。その中で勉強を続けるためには、単なる時間管理だけでは足りません。最も大事なのは「メンタル管理」です。今回は、私自身が現場監督として働きながら試験勉強をした経験をもとに、メンタルを安定させ、両立を可能にするための方法を紹介します。
1. 「完璧主義」を捨てる勇気
私が受験勉強を始めた当初、一番苦しめられたのが「完璧主義」でした。
毎日の勉強計画を立てても、現場のトラブルや残業で予定が崩れることは当たり前。すると「今日は計画通りにできなかった」と自己嫌悪に陥り、次の日も気持ちが沈んでしまう。この悪循環が続くと、勉強そのものをやめたくなるほど精神的に追い込まれます。
そこで意識を変えました。「完璧にやる」ではなく「積み重ねる」ことを大事にする。
例えば、1時間勉強する予定が30分しかできなかったとしても、「ゼロじゃなかった」と肯定するようにしました。小さな達成を積み重ねていくことで、自己肯定感が回復し、継続できるようになったのです。
2. メンタルを整える「切り替えスイッチ」を持つ
現場から帰ってすぐに勉強を始めるのは正直きついです。頭の中はトラブル対応や工程管理のことでいっぱいで、参考書を開いても集中できません。そこで役立ったのが「切り替えスイッチ」を作ることでした。
私の場合は、帰宅してすぐにシャワーを浴びることをルールにしました。体の疲れと汗を流すと気持ちがリセットされ、「これからは勉強の時間だ」とスイッチが入ります。人によっては、軽くストレッチをする、コーヒーを飲む、机の上を片付けるなどでもいいでしょう。大事なのは「仕事モードから勉強モードへ」切り替える習慣を持つことです。
3. 「頑張らない日」をあえて作る
現場監督の仕事は突発的な残業や休日出勤が多く、心身ともに疲れ切る日があります。そんな時に無理して勉強すると、効率は悪い上に「勉強=つらいこと」と刷り込まれてしまい、長期的に見て逆効果になります。
私は週に1日は「完全に休む日」を設けました。勉強も仕事のことも考えず、好きなことをして過ごす。罪悪感を覚えることもありましたが、結果的にこのリフレッシュ日があるからこそ、他の日の勉強を続けられたと実感しています。
4. 仲間や家族に「目標宣言」をする
試験勉強は孤独との戦いですが、孤独すぎると心が折れやすいです。そこで私が実践したのは、仲間や家族に「今年一級建築士を受ける」と宣言することでした。
現場の同僚には、「だから早めに帰らせてもらえたら助かります」と素直に伝えましたし、家族にも「夜は勉強するから協力してほしい」と頼みました。周囲に理解してもらうことで、勉強をサボりそうになった時も「言ったからにはやらなきゃ」という気持ちが働き、自然と自分を律することができました。
5. 「仕事での学び」を勉強に結びつける
メンタルが不安定になるのは、勉強と仕事が「別物」に感じられるからです。私も最初は「仕事で疲れて、さらに試験勉強もしなきゃいけない」と二重の負担に思えていました。
しかし、構造の知識が施工管理に役立ったり、法規の勉強が役所対応で生きたりすることに気づいてからは、両方がつながっていると実感できました。そうなると「仕事が勉強になる」「勉強が仕事に生きる」と相互作用が働き、精神的な負担が軽くなりました。
まとめ:メンタルを守ることが最優先
一級建築士試験の勉強は長期戦です。現場監督という忙しい仕事をしながら挑むには、時間管理よりもまず「心を折らない工夫」が必要です。
- 完璧を求めず、小さな達成を積み重ねる
- 仕事と勉強を切り替えるスイッチを持つ
- あえて休む日を作り、リフレッシュする
- 仲間や家族に目標を宣言して支えを得る
- 仕事と勉強を結びつけてモチベーションを維持する
これらを意識することで、私はなんとか勉強を続けることができました。振り返ると、一番の敵は「忙しさ」ではなく「自分の心」だったと思います。これから挑戦する方も、ぜひメンタル管理を大事にしながら、試験と仕事を両立していってください。

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